ドラマ「ダンダリン」が終わった、そして労働者とは
ドラマ「ダンダリン 労働基準監督官」が最終回を迎えた。3〜4話目くらいから見たので最初のストーリーはさっぱりだが、労働者を守るために奔走する主人公の段田凛の行動力や台詞に惹かれて最後まで見続けた。
最終回の流れは割愛して、主人公の段田凛と、段田凛に恨みを持つIT企業社長の飯野のやり取りにひっかかるものが心に残った。それは飯野が言い放った「労働基準法をきっちり守り、労働者が働きやすい環境づくりを完璧にしている会社は存在しない、そんな桃源郷はあるものか」というものだ。(正確な台詞は忘れた、間違えていたらごめんなさい。)
そして、段田凛は「その桃源郷はあると信じています」と返事をした。
ここで私は「ん?」と思った。
私もそのような桃源郷は日本全国探し回れば必ずあると信じているし、あるべき姿だ。だが、そんなユートピアを探しまわったり信じたりしなければ見つからないこの現状はいかがものか。なぜあちこちにないのか。
労働者にしても経営者にしてもそのようなユートピアで働きたいし、働いてほしいはずだ。でもなぜこんなにも少ないのだろうか。それには法律も絡むし経営学も絡むし、資本や人材や金策や時間や技術やノウハウや場所や土地や…ユートピアにできない理由はいくらでもありそうだ。
極論すぎてアレかもしれないが、労働者は楽して短時間で高収入を得たい、経営者は人件費を抑えに抑えて利益を上げたい、というぶつかり合いがある。
そして、その逆に労働者は長い時間働いて好きなことに没頭して収入を得たい、経営者は休日や給料をたっぷり出して楽しんでもらいたい、というぶつかり合いもある。
この両者の理想が過激にぶつかり合って妥協したところがユートピアなのか、どちらかが尖ったところがユートピアなのか。労働者にとってのユートピアは経営者にとって苦しい地獄かもしれない。
話は変わるが、サラリーマン金太郎(漫画)には主人公の金太郎が「会社と恋愛したい」と言い放つ場面がある。恋愛までいくのはうざったいかもしれないが、恋くらいはしたい。会社はよく社員は家族、と言うが愛情がなければ恋も家族も生まれない。
結局、誰もが好きな会社で長く働きたい。労働基準法を盾にすれば会社に改善や制裁を与えることはできるかもしれないが、会社が労働者に求める理想郷とは一体なんなのか、を知ることが大事なのだ。 また、会社も社員にとっての理想郷を知るべきなのだ。
そして、そんなユートピアな会社がゴロゴロ生まれてほしい。
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