正しいこと
仕事をしていると正しいと思って進めていたものが間違いだった、というのことがある。自分の中では間違ってない、正しいことだ、と思っても。
だが本当に正しいことなのに間違ったことをやらされている、ということもある。衛生面への配慮が足りないのでは、この行為は不正なのでは、グレーゾーンは危険ことなのでは、などなど。
止めたほうがいい、改善したほうがいい、訴えられるかもしれない、と言ってみてもそのくらい分かってる、大丈夫、問題ないだろ、と実際大きな問題にならないまま日々が過ぎていくのだ。
そしていつか起こる、その大きな問題に直面したとき「あぁ、やっぱりな」と思いながら対応に追われるのだ。早く鎮火したい上の考えと、ここぞとばかりに炎上させて二度とこんなこと発生させないように燃え尽きるまでとことん燃やそうとする人たちとの闘いも始まる。
何も起こらなければ問題はないが、何か起こったときに痛い目に合う。その痛い目に合いたくないから色々言うのだが通じないと実際大きな問題なったときにモチベーションが上がらないものだ。
特にグレーゾーンはやっかいだ。不正かどうかどっちつかずの状態で指示がくると自分の中の正義感は悩みに悩む。反発すれば仕事にならず、会社にいられなくなるかもしれない、かといってすぐ辞めることもできず、次の就職先もない状態だ。そんなこと思いながらグレーゾーンに手をつけて仕事を進める。
そのグレーゾーンがブラックだと判明した場合、すぐ止めることができる!と思っても「じゃあ、もっとうまくやってみて。」「そうならないように気をつけて」と具体的な対策もなく、続けることになることもある。こうなるともうどうでもよくなる。問題が明るみに出てしまえ、ともなる。
だが、世の中正しいことだけで生きていくことはできない。何が正しくて何が悪なのか、グレーゾーンの是非はどうなのか、今やっていることは誇れるものなのか…分からない。分からないのだ。
- 作者: 武田邦彦
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